信じて疑わなかった

たまに感性がバグる。自分が心からいいと思ったものを誰かが風に飛んできたチラシみたく踏みつけているのを見たり、これは別にどうでもいいなと思ったものを誰かが過剰に褒めたくっている。

こいつらは不勉強だという言葉が口をついて出る。不勉強というか、幼稚だなと思う。そんなありきたりなものに価値はないと拗ねてみたり、単純につまらないからと視界の外に追いやったりする。

言いたくないことを言わない癖がある。周りの人間は思ってもみないことを平然と口にしている気がする。自分にそれはできない。優しい嘘はつけない。押し黙るしかない。それで、よく押し黙っている。あるいは、さりげなく他の話題にすりかえたりする。

お前の感性がおかしいだけでは? いや、物書き界隈の人と感性があうので、そうでもないのだと思う。単純にまわりにいないだけ。それは何だか悲しい。

俺は俺が一番正しいのだと思っている。まわりに俺より真摯に向き合っている奴は多分いないから。同様に、救いようがないとも思っている。状況が、だ。一番真面目に積み上げている俺ですら何かを間違えているんだったら、もう何を信じればいいのかわからないだろ。

言わないことばっかりだ。くだらねーとかしょーもねーとか浅はかとか、そんなの言った側も言われた側も不幸になる。何も言わないのが正解。じゃあ、口、要らなくない?

思うんだよね。無理なんてしなくていいし、無理やり開いた口から出るのが嘘か本当かなんて見ればわかる。黙ってればいい。喋る必要ない。意味ないし。おためごかしじゃ何も変わらんだろ。

いや、何で俺男子大学生なんだろうな。それなら中身とか感性もそれ相応の鰯みたいなのに挿げ替えてくれよ。そしたらいくらか話もあっただろうし幸せだっただろ。本当にね。ほら夜が明けた。