雑記

 

※フィクション

 

最悪だ。最悪だ。最悪だ。唸っていると、見たところそれは最悪でないはずだった。死にたいと口にしていればまだ死なずにすんだ。死ぬ夢は一度だけ見た。真に迫るものだったわりに怖くはない。それは恐怖ではなく、無関心である。青色のもので心臓の縁をせっつかれているような感覚がある。現実の手が今にも足元に伸びてきていて、いつでもここから引き落とせるぞと鎌首をもたげている。青色は見るに液体で、いつ誰がこぼしたともわからないけれど、気がつくと部屋のあちこちに溜まっている。私はそれを薄める。薄くなっていくのを見ると、最悪だという言葉も同時に薄らいでいく。シンクに溜まった青色を流している途中、洗い物の桶に手をひっかけてしまった。銀色の食器がこぼれて、フォークが2本、グラスの上に奇妙なバランスでとどまった。それがセックスみたいに見えて、死にたいともう一度呟く。最悪だ。最悪だ。最悪だーー