リグ

自分のことしか話せない俺を許してくれ

 

人に怖がられている

そう感じることはないか

 

最近はずっとそのことを考えている。どうしてそうなってしまったのだろうね。

いや、俺が人に怖がられていると感じる理由は明白で、それは俺の誰彼構わず攻撃してしまえるような情緒の基盤の不安定さに起因している。なんというか、危険というか、爆弾というか、触らぬゴミに祟りなしというか。

昔の自分を回想してみて、俺もあんな奴とはあんまり意思疎通を図りたくないな、と思った。考えたくもない。ふと口にした言葉ですら、勝手に虫眼鏡で拡大されてこれはおかしいだの浅いだの言われる。穏便に場を済ませたけりゃ口を突いて出る言葉のひとつひとつに神経を研ぎ澄ませなければならないし、だからと言って黙ってれば何か言うことはねえのかと愚痴を吐かれる。相手にしたくない。

 

それは青でもなんでもないのだ。ただ攻撃目的だけで行われる言葉狩りに、青などという美しくてどこまでも透き通るような色を当てはめちゃいけない。それは美化だ。人は記憶を良いように改竄しがちだ。正しくは何色だったのだろう。名前なんてなくて、でも見た人全員が顔をしかめるような、絵の具を混ぜ過ぎたような色だったのだろうかね。

 

散々人の首根っこにナイフを突き立てていた俺が今更こんなことを言うのは本当に愚かしいことだと思う。今だってそんな自分の唾棄すべき汚い本性が顔を出そうとすることもある。その度にそいつと戦っている。たまに負けて、つい口を滑らしてしまう。

 

もう遅いんだよ

お前が今まで他人を散々脅かしてきたぶんぐらい受け入れろよ

今更物欲しそうな目で楽しそうに生きる人たちを眺めたってもう遅えんだよ

一生怖がられたままで、そのまま孤立して死ね

 

さあね。でもそれが、過去の俺が欲しがってた未来なんじゃねえの

 

ほらすぐ下らねえ自己憐憫に浸ろうとする しょうもな