反実仮想

初夏と梅雨の中間地点。夜風を浴びながらコーヒーを飲む自分を想像するのは愚民の特権である。よし実行に移そう、思い立ったが吉日と近所のスーパーで安物の缶コーヒーを入手し、そいつを片手に家に帰ってくる。ところが想像ないし換言せずとも妄想であるところの白昼夢はレポートや試験勉強の魔の手により終わりを告げるのである。前途多難さを味のなくなったガムのごとく噛み続けて早十数年、未だに学問という分類づけをしていいのか悩むレベルでの勉強とやらを繰り返している。ああ忙しい、ああ忙しい、と水を得られなかった魚がちっぽけな井戸のようなワンルームで飛び跳ねている。飛び跳ねるのをやめようにも、生憎わざははねるしか覚えていない。そんな八畳ほどの浅いプールから抜け出そうにも抜け出せない日々が悶々と音を立てて過ぎ去るのは夏休みまで。じゃあ夏休みが終わればお前は時間の不足を理由にアレができないコレができないとぎゃあぎゃあ喋っていた悦を享受できるのかと言われれば、まぁそんな筈もない。そうに決まっている。夏休みになれば暇に任せて夜風を浴びながらコーヒー飲んだりするわけもない。経験則だ。ひたすら創作に打ち込んだりもしない。経験則だ。カメラを片手に景色を撮りに行ったりもしない。経験則。忙しいことを言い訳に本当は何もできない自分が隠れ蓑の中で縮こまっている。

 

いい感じに社会性フィルターがかかってきたので、夏休みにやりたいこと、反実仮想あるいは実現不可能な願望について書いておこう。

今年は夏休み中にssをたくさん仕上げなければならないので、否が応でも書かねばならない。わいわいがやがやと書きまくるやつをやりたいなぁ。きょうだいせいたちだいしゅうごうだわいわい。所詮人も動物なのだ。

大学がないからみんなでご飯食べに行ったりもしたいものだ。できるだけ虚無こと夏休みを楽しんでほしいなぁ。

まぁでも、書きつくってみてもあんまりやりたいことないな。

どうせ暇だろうな。