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終わらない世界

ろくすっぽも眠っていないのに無理やり8時に目を覚ましたりするから、今日の午前は意識が朦朧としていた。朦朧とした意識の中で何をしていただとかどんな夢を見ていただとかどんな病に冒されていただとかは覚えていないのだけど、ただ意識が朦朧としていたことは覚えていた。折角8時にたたき起こした身体はひっきりなしに睡眠を求め、空腹を殺してまで体をソファーに擡げさせる。次に目が覚めたのは時計が12時を過ぎて1時になった時刻だった。

 

 

止んだと思った雨はしっかりと降り続いていて、京都に放置してきた洗濯物が心配で仕方がない。少しだけでも外に出ようと足をコンビニに走らせたが、大金と引き換えに紙切れ四枚とプリンを得ただけだった。心配事は相変わらず多いけど、少しでも道楽を得るための選択と考えれば痛みは軽くなるものかな。人に会わないから苦しい思いをしているのかもしれないと思い、誰かと会話をしたいとばかり願う。苦しんでるときの気分転換は当事者からすれば転換も何もない無意味の権化に見えるけれど、後々の自分にとってはありがたいものだったりもする。誰も理解しなくてもいいから会話だけでもしたい。何かと理由でもつけないと会話すらさせてくれない世の中だったりするし、それもまた苦しい。プリンは美味しかった。

 

 

熱を出すと決まって生ぬるいスポーツドリンクの味を思い出す。曖昧な記憶には、風邪を引いて怒涛の勢いでペットボトルを空にする自分がいる。風邪を引いたときの世界がゆらゆらと眩んでいく感覚とか、何をやっても許されるような自己肯定感とか、風邪を引いているのになおキーボードを一心不乱に叩いているときの悦とか、あることないこと全部が500mlのペットボトルの中に澱のように沈んでいる。灰白色の液体越しに見える世界はどこか眠たげで憂鬱で、でもその景色は風邪を引かなきゃ見られない。風邪を引いてる気がするからとスポーツドリンクをコップに注いだ。不思議な味がした。

一生風邪に冒されていられればいいのになと思う。