幽霊

言葉というのはあなたの手中にすっぽりおさまるものでは到底ないのです、と言いたげな表情でも浮かべながらこういう記事を書いていて、その実中身なんてないのだ、ということを薄々分かっている。中身がない? それはなんとなく違うような。伝えたいことなん…

雑記

※フィクション 最悪だ。最悪だ。最悪だ。唸っていると、見たところそれは最悪でないはずだった。死にたいと口にしていればまだ死なずにすんだ。死ぬ夢は一度だけ見た。真に迫るものだったわりに怖くはない。それは恐怖ではなく、無関心である。青色のもので…

雑記

好きな風景は何ですかと訊かれて、人はいろいろなことを答えるんだろうけど、それはそれとして美しくないものを美しいなと思うときがある。これはたぶん共通認識で、そうでなければそんなことをこれまでの人生で考えもしなかっただけなんだと思う。 そういう…

共感と消費

恋とか夢とかそういう歌ってめちゃくちゃしょうもないですよねえ 未来と夢の違いとか、ラブとラヴの違いとか、要するにそういうことです、まあ聞いてられません 私は子供のままでいることが幸福とは思いませんが。

夜について

突然だけど、どす黒い空、それをわりあい規則的に引き裂く2本の電線、その交差する点こそが世界の本質かもしれないな。 分かる? 分からないよな。 分からないか。 いや良いんだけど、例えば会話って双方の理解があって初めて成立するものだし、片方が一方的…

犯罪者

悪について考えるときに、人を殺めたり盗みをやったり、そういう輪郭のはっきりしたものばかり思い浮かべる。本当は悪なんて道端の至るところに転がり落ちていて、目を逸らしながら人に面倒事を押し付けたり、助けるべきところを無視したりする、あれこそが…

雑記-2019/12/28

*秒速0.016mm 自分がその場にいることを、いったい誰のおかげだと思ったりするんだろう。 人通りの多い場所で、ふと考えることがある。 無数だなんて言わないけれど、でも、数えきれないぐらいの人がいる。目の前にいるこのひとたちは、どうしてこんな場所…

雑記-2019/11/07

*短い 言葉にすると、写真を壁に固定するみたいに、未来永劫その場にとどまり続けるものだと思っている。できれば言葉にしたくない。感情の話。抱いた気持ちはいつだって一過性だから、いずれ消えてしまう。それなら言葉にしなければいい。あんなもの嘘だっ…

雑記-2019/11/2

*オレンジに触る 手紙を書くのは、懐かしいと思うことを肯定するため。触れては流されていく毎日の中に、ふと、記憶と重なる瞬間がある。オレンジ色と呼んでいる。本当にそう見えるのでもなんでもなくて、自分の中ではそれはオレンジ色であってほしい、とい…

雑記-2019/10/21

*プラネタリウム 文字を読むのが苦手なわりに、書くのは好きな方だ。深刻な活字アレルギーを患っていて、例えば半年ぐらい前に買った蜜蜂と遠雷をまだ30ページも読んでいない。 書くのが好きだというのに、日記は続かない。さて日記でも初めてみるかと思い…

雑記-2019/10/20

*抹茶味 気づくと手癖で酒缶をあけている自分がそこにいる。酒は好きでも嫌いでもないけれど、口に含んだそのあとに広がる世界が好き。安酒の缶を空にする理由なんて、酔うため以外にはない。誰だってそうだと思う。ちなみに、高いお酒はときどき美味しい。…

雑記-2019/10/14

*リユニオン 小学校のときの同級生が、明日誕生日を迎えるらしい。そういう通知が来た。 小学校の頃に連絡先を交換したっきりだと思う。それでも、幾つもの電子機器の引き継ぎを運良く生き延びて、連絡先は澄ました顔で携帯電話に居座っている。いや、多分…

停滞

どこかで息をしている。なんとなく、憂鬱な気分になる。本気で手を伸ばせば届いてしまう距離。遠いと思う。 一緒がいいというのだって、いくらか都合がいい。いつだって一方通行だ。思うのも、思われるのも。言葉にする勇気も、そもそも意味もない。言えなか…

定員オーバー

背中に乗ってるものが多すぎると思いの外簡単に倒れる 誰でも知っている 思っていたよりも自分が弱くてなんだか幻滅する 自分嫌いじゃない それでも過去の自分を嫌いになっていくのは、単純に過去の自分に嫌いな要素が揃っているから 本当にどうしようもない…

ゴーストランドリッケンバッカー

随分つまらないことで悩んでいるな、外側から見ればだいたいそう思える。いつか過去の自分が復讐しにやってきて、目でもくり抜かれるんじゃないかという恐怖と今日も戦う。でも実際つまらない。つまらないのはそれが簡単に移り変わるところ。消費税じゃない…

信じて疑わなかった

たまに感性がバグる。自分が心からいいと思ったものを誰かが風に飛んできたチラシみたく踏みつけているのを見たり、これは別にどうでもいいなと思ったものを誰かが過剰に褒めたくっている。 こいつらは不勉強だという言葉が口をついて出る。不勉強というか、…

メリーゴーラウンドが悲しい夜

あざやかなアルコール漬けの夜に転がされる。灰色の天井は都会の空のように濁る。口ばかり立ってどうしようもない夜のことを思い出す。切り替わって朝、指先から熱が抜けていく。退屈が部屋を溶かす。それを元通りにするのに、時間がかかる。 パステルカラー…

ハイスコア

本来なら総評にでも書くべきことなんじゃないかな。でも、あれは読まれる前提で書いてるし。聞いてほしいというより聞き流されたいのでここに書く。 校正、何だかなぁと思う瞬間が増えてきた。やった方がいいし、むしろやらなきゃいけないことだと思ってるん…

ニムロッド

本物と偽物の違いが分かるか? 何を元手に話を書くのだ? 一度ぐらいは考えたことがあるだろう。書きたいことがあるというのは最も原始的な返答で、そして答えになっていない。その理屈は逆のはずだ。何かが先んじていて、それで書きたいと思えるのだ。 何を…

希望について

いくら自分の好みのものが書き上がっても誰も共感してくれなければまぁそういうことなんだろうと思う。思う、じゃなくて、思わなきゃいけない。自分だけが作品の良さを知ってるなんてことはないし、周り十数人に訊いてみて無反応だったら、まぁ、大したこと…

スポットライト

周りより少し眺めがいいからと上った台が絞首刑台であることに彼はまだ気づいていない

グングニル

綺麗な文章って何なんだろうね。努力すればするほど、綺麗な文章を書くよりもずっと大事なことがあるはずだよなと実感する。大事なことというか、文豪の轍を歩くことのそれ以前にやるべきことがある気がするんだよな。いや、それも何か違うのかもしれない。 …

路地裏に導火線

文章力って虚飾のような気がする、というのをここ数日考えている。比喩とか、便利ですごく好きなんだけど、時として現実味がないよな、と思う。真に追い求めるべきものは俺の描いた世界なんかじゃなくて彼らの見ている世界だし。比喩を意識的に使わなかった…

幼稚 くだらない

例えば、いなくなったら困る存在がいる。ゴミを回収する人とか線路の点検をする人とか。祇園四条の駅付近に謎めいた民族楽器を弾いている人がよくいる。あれもその類だと思う。長く居てほしいと思う。同じ人間があり続けなくたっていいから、代謝よく入れ替…

ロジカル

ツイッターで書くことじゃないなって内容のことがブログに記事としてたまっていく 好き嫌いの話をします 好きか嫌いかでいうなら、嫌いの話 先日、坪内逍遥の小説神髄について調べものをしていて、ことのついでで抽象的なワードで検索をかけていた するとど…

掬われない

重篤な風邪を引いているせいで、普段の自分が忌み嫌っているような行為を無意識にとってしまうから気分が悪い。頭は痛いし寒気も激しい、そのうえ不安やら憂鬱やらの2、3個に憑りつかれて精神が摩耗している。辛い。 説得力って大事じゃない? 言葉の上に浮…

本当に大事なところは削る

何のために気を遣ってるんだ?と馬鹿馬鹿しくなることがあるな。いやまぁ俺だって元来そんな人間じゃなかったはずだし、必要に迫られてそうせざるを得ない役回りを自分で自分に押し付けてるわけ。報われるとか報われないとかそんな話じゃなくてさあ、いや、…

退屈なプラネタリウムと2LDK

自分嫌いとかいう体のいい言い訳をぶら下げて、偏愛とまではいかずとも世界の隅っこで淡々と包丁を研いでるみたいな自己愛と2LDKで同棲してるよな。自己愛は良い奴だよ。腹が減ったら野菜炒めとか作ってくれるし。多分嘘。3年前に買った醤油の蓋が未だ開かな…

左利き用

横文字が好きだ。意味のある文字列もさることながら、それ以上に、カタカナを4つぐらい無造作に並べて、およそ無意味な文字列が完成するのがこの上ない瞬間だ。あれは意味と無意味の中間にあるのだと思う。全く意味がないわけではなくて、カタカナの羅列を目…

エレトロジー

早く寝たい。なんか寝れない。そういう夜があるよな。謎に不安がる夜。あれこれ考えて布団に包まってんの。寝たいのにな。何を怖がってんだろうね。一日の使い方を後悔して、明日こそ勉強するぞって思い直して、一晩経ったらさっぱり忘れてる。嫌だな。こう…